紙飛行機の恋 1 *沖銀
まあさぁ、ごくごく、内輪の事だし?
聞いちゃいけない事だってさ、分かってたよ。あれだ、親しき仲にも礼儀あり、ってやつだ。あーいや、違うわ。別に?そんな親しいとか?別に俺は思ってないけど?でもさ、どーしても気になっちまったんだよ。だってさ、あれじゃん。マダオ仲間だなあって思ってたあの銀さんがさ、あの子、真選組のあの、わっかい兄ちゃんとひっついちまったとかさあ、世の中判っんねぇもんだな、ってさ。
最初に、あれだ、ヤバいもん見たわ、って思ったモンを見た時の光景は最初っから、何かこう…さりげなく匂わせてるせいで、バレました、とか、察しました、とかいうんじゃなくて思くそオープンだったね。
久々に仕事にありつけて、まあ夜中キャバの下働きしてたんだけど。つっかれたー、あと、さすがに冬の朝は都会でも寒いわー、何か思ったよか、あんまし金になんかったけど、帰ったらネギをどかどか突っ込んだ鍋でも久々に食って温まって寝よ、とか、だらだら考えながら歩いてて、俺の城のボロいアパートに向かう道の途中にある公園を横切って、距離をショートカットしよ、…って、公園内だらだら歩いてて、そんで噴水の前に差し掛かった時に、見た。
お、銀さんだ、って。あの頭の色は目立つしさあ、すぐ判った。
ありゃ銀さん、真選組の誰かと一緒にベンチに座って何か話してるなあ、って、銀さん、こりゃまた何かしくさって、真選組の奴に目え付けられちまったんじゃねえのー…なんて、ちらっと思いながら、そっちの方、歩きながら見てたら、
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突発的に書いた、
長谷川さんと沖銀の話です。
メロウ設定です。
続きます。
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突発的に書いた、
長谷川さんと沖銀の話です。
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先生、遊びに来る。/後編 *先生と沖田くんとうさ銀
先生と沖田くんはもう一度顔を見合せ、そして、二人同時にうなずきました。
ふたりとも、笑っています。
うさ銀はふたりを見ながら、「お、せんせいとおきた、きがあいそうだな…」と心の中で思いました。気が合うのはいい事です。
うさ銀も、うんうんとうなずきました。
うさ銀も、うんうんとうなずきました。
「銀時ったら、もうそんな相手が出来たんですね。大人だなあ。たくさん食べて大きくなりましたもんね。」と先生が微笑み、
「ええ、一緒におやつ食べましょうね、うさ銀ちゃん。にんじんケーキと、頂いた苺大福、お皿に出しますねィ」と沖田くんが笑いました。
先生は、元気におやつを食べるうさ銀を見ました。自分の分のにんじんケーキと、苺大福を早々に食べ終えたうさ銀が、こんにゃく…もとい、婚約者の沖田くんの分のにんじんケーキの上に飾られた、三日月の形のクッキーを、ちらっと見ると、沖田くんはすぐにそれに気がついて、そのクッキーをスプーンですくい、うさ銀に食べさせてあげていました。
うさ銀は、目を閉じて、うれしそうにクッキーを食べています。
…よかった、と先生は思いました。
顔には出しませんでしたが、
うさ銀から沖田くんを、こんにゃく…じゃなく、婚約者だと紹介された時は、内心、
「私の目の黒い内は銀時はあげませんよ」…なんて。おとうさんらしく、沖田くんに言ってしまおうかとも思ったのです。
でも、言わなくて、よかったみたいです。
ここに来るまでに、ここで暮らす人の様子や、うさ銀の様子、お部屋の雰囲気をよく見、そして何より今、目の前で、楽しそうにしているふたりを見ていたら、何も言ったりしなくていい事が、心底、わかりました。
うさ銀が、食べかすをたくさん口につけたまま、うれしそうに先生に話しかけてきます。
「せんせいのくれた、だいふくのいちご、うまかった。せんせいありがと。おれ、またたべたい。つぎもいっしょにたべよ」
先生は、「もちろんですよ。」と
笑って言ってくれました。
沖田くんは、それを、やっぱり笑って見ていました。
「また遊びに来ますね、銀時。
…沖田さん、銀時を本当に大切にして下さって、
ありがとうございます。」
夕方、赤い空を背に先生はそう言って、
にこにこしながら屯所を後にしました。
沖田くんとうさ銀は、屯所の出入口から
先生のお見送りをします。
沖田くんは先生に、深く頭を下げてから、
「またいつでもいらして下さい。こちらこそ、
本当にありがとうございます」と、
しっかりとした挨拶を返し、
足元で、先生へ向かって手を
びゅんびゅんと振っているうさ銀の頭を
優しくなでました。
うさ銀は、曲がり角へ向かい歩く先生の
後ろ姿が見えなくなってしまうまで、
ずっと手を振り続けました。
先生が「また来る」と約束をしてくれたので
うさ銀は泣いたりしませんでしたが、
先生の姿が見えなくなった後、うさ銀は
沖田くんの足に、頭をぎゅ、と押し付けながら、
そのまま両手で足を抱えて動かなくなりました。
沖田くんは、うさ銀の頭をなで続けていてくれました。
「…いい先生ですねィ。明るくて優しくて、
少し、うさ銀ちゃんに似てます」
沖田くんがそう言うと、うさ銀はちいさく、
でもとてもとてもうれしそうに
「うん」と返してくれました。
「また遊びに来ますね、銀時。
…沖田さん、銀時を本当に大切にして下さって、
ありがとうございます。」
夕方、赤い空を背に先生はそう言って、
にこにこしながら屯所を後にしました。
沖田くんとうさ銀は、屯所の出入口から
先生のお見送りをします。
沖田くんは先生に、深く頭を下げてから、
「またいつでもいらして下さい。こちらこそ、
本当にありがとうございます」と、
しっかりとした挨拶を返し、
足元で、先生へ向かって手を
びゅんびゅんと振っているうさ銀の頭を
優しくなでました。
うさ銀は、曲がり角へ向かい歩く先生の
後ろ姿が見えなくなってしまうまで、
ずっと手を振り続けました。
先生が「また来る」と約束をしてくれたので
うさ銀は泣いたりしませんでしたが、
先生の姿が見えなくなった後、うさ銀は
沖田くんの足に、頭をぎゅ、と押し付けながら、
そのまま両手で足を抱えて動かなくなりました。
沖田くんは、うさ銀の頭をなで続けていてくれました。
「…いい先生ですねィ。明るくて優しくて、
少し、うさ銀ちゃんに似てます」
沖田くんがそう言うと、うさ銀はちいさく、
でもとてもとてもうれしそうに
「うん」と返してくれました。
節分の日にやってくるうさぎ鬼 *沖田くんとうさ銀
▲クリックで拡大します。
うさ銀はちいさい頃、先生から
節分の事について教わりました。
あの頃、鬼の役は先生がやって
くれましたが、巣立った今こそ、
うさ銀は鬼の役をやってみようと
思いました。
ヒール的な存在に憧れる時期は
あるものなのです。
うさ銀はその旨を沖田くんに
伝えます。
「おれ、おにのやくするから、
ちょっとおれにまめなげてくれ。
なげたまめはおれがぜんぶたべるから
おかたづけしなくていいぞ」
それを聞いた沖田くんは、
さっと顔色をなくし、
「そんな…うさ銀ちゃんに豆を投げる
だなんて、出来ないでさァ…」と
うさ銀に伝えました。
そうしたらうさ銀は
「…おに、おれ、いっかいも
やったことないから、やってみたいのに…」と、
つまらなそうな顔をして
そっぽを向いてしまったので、
沖田くんは、あわてて、
うさ銀の足元に、本当にそ…っと
優しく豆を投げました。
うさ銀の体には当たっていません。
うさ銀はまたちょっとつらまなそうな顔を
してしまいましたが、
沖田くんには、うさ銀に豆を
ぶつけるだなんて出来ません。
どうがんばっても出来ないものは
出来ないのです。
うさ銀は
「これじゃ、おにがおっぱらえないだろ」と
さっそく豆をかじりつつ、
ぶつぶつ言っていますが、いいのです。
こんなかわいい鬼は、永遠に
追っ払われたりしなくていいのです。
先生、遊びに来る。/中編2 *先生と沖田くんとうさ銀
先生は、うさ銀に、ひとつひとつ大切に言葉を返してくれました。
「ええ、元気でしたよ。銀時も元気そうで、よかったです。ねえ銀時、この間、新聞に載ったでしょう?珍しいきのこを見つけたんですね。読みましたよ。すごいですね」
「今はね、色々な場所へ旅をしてる最中なんですよ。」
「今日はおやつはまだなんです。ケーキですか、おいしそうですね。私も手土産に銀時の好きな苺大福を持ってきましたよ。ほら、銀時が喜ぶと思ってたくさん作ってきたんです。大きな包みでしょう?」
話ながら、先生は改めてうさ銀の事をよく見ました。
最後に会った時よりも、一回りくらい、おおきく育ったようです。
ふさふさな頭や耳やしっぽは、毛玉になってしまっている部分もありません。毎日お風呂に入って、丁寧にお手入れされているのでしょう。ふわっと、ちいさい花のような石鹸の香りがします。
ふくふくしたほっぺや、やわらかい手足は、つやつやと健康そのもの、といった感じですし、さくら貝みたいな爪もきれいに短く切り揃えられて、やすりがかけられています。表情も、ぱ、と明るく、苺あめのような瞳はきらきらとうれしそうに光っています。
この家で、うさ銀が大切にされている事が聞かなくても、伝わる姿です。先生は嬉しくなって、前を歩きながら、こちらを気にしている沖田くんに頭を下げながら笑い掛けました。
それを見た沖田くんは、小さく会釈をします。普段の彼を知る人が見たら、驚いてしまうほど、神妙な対応です。
お部屋に通され、大きな机の前に置かれた厚い座布団を勧められて、ふかりとそこに座った先生は、お部屋をくるりと見回しました。
広い和室が二間続いているこのお部屋が、沖田くんとうさ銀が暮らすお部屋です。
お部屋の壁には、うさ銀が描いたとおぼしき、いちごとにんじんのクレヨン画が貼られており見るからに楽しそうな感じですし、端にあるちいさな白い文机には、きれいな色の折り紙で折られた花やうさぎや魚や鳥、雪の結晶などが飾られていて、にぎやかです。折り紙作品の横には、うさぎに似た白い花がたくさん咲いている鉢植えも見えます。
更にその文机の脇にある大きな箱からは、かわいいうさぎやイルカのぬいぐるみたちが、たくさん顔をのぞかせています。
うさ銀がここでどんな暮しをしているのか、一目で分かるお部屋です。先生は、またひどく嬉しくなりました。
向かいに座った沖田くんは、先生に、改めてきちんと挨拶をしました。
「うさ銀ちゃんの先生、はじめまして、うさ銀ちゃんと暮らしている沖田総悟といいます。お会い出来て嬉しいです。うさ銀ちゃんにはいつもお世話になっています。」
とても立派な挨拶です。沖田くんも、いざという時には、きちんとした態度が取れるのです。
うさ銀は、沖田くんの挨拶を、先生の隣に置いたにんじん型座布団に座りながら聞いて、機嫌よく、うんうんとうなずきます。
「お世話になって」の部分が、たいへんよかったようです。うさ銀は補足で説明をします。
「しょうよう、おきたは、おれの、こん…?こん…、こんにゃくなんだ。ごはんやおやつをいっしょにくうんだ。」
こんにゃく、とは。こんやくしゃ、という言葉とは、似て非なるものです。
「うさ銀は、「こんやくしゃ」という言葉を今日初めて教わったので、うっかり覚えられず、「こんにゃく」という言葉と間違えてしまったのでした。
しん…という沈黙があり、その後、先生と沖田くんは顔を見合せて、そしてから、二人同時にうさ銀の事を見つめました。
うさ銀は自分を見つめる二人をキョロキョロと見返し、
「しょうようも、おきたも、おやつたべないのか?おれ、けーきもだいふくもくえるぞ。にこくえる。」と、うれしげに
耳をぱたぱたとさせながら、話しかけます。
▼
うっかり長くなってしまい、
まだ終わりませんでした。
続きます。
先生、遊びに来る。/中編 *先生と沖田くんとうさ銀
沖田くんとうさ銀が屯所の玄関にたどり着くと、そこには、近藤さん、土方さんとお話しをしている先生の姿がありました。
まぎれもなく、うさ銀の大好きな先生です。
先生が、ふ、と、うさ銀と沖田くんの方を向きました。そして、ひどくしあわせそうに笑って、うさ銀へ手を伸ばしてくれました。
「銀時。大きくなりましたね」
うさ銀は、
「しょうよう!」と叫びました。
ふだん、あまり泣いたりはしない強いうさ銀でしたが、今日は、ぽろぽろと涙が出てきます。泣かないようにがまんしていたはずなのに、だめでした。
沖田くんは、
「うさ銀ちゃん、よかったねィ」と笑って、
先生に向かって、泣きながら手を伸ばすうさ銀の両脇を持ち、先生へ向かって差し出しました。
うさ銀はぽたぽたと涙を落としながら、先生の肩に頭を押し付けます。
畳と木の香りの混じった、優しくなつかしい、先生の匂いがします。
先生と、うさ銀が抱きあっている姿を見て、近藤さんがとうとう、もらい泣きを始めてしまいました。
しばらくして、うさ銀(と、近藤さんが)がようやく泣き止んでくれたので、
「こちらにどうぞ。お茶をいれますねィ」と先導してくれる沖田くんに案内されて、先生は沖田くんとうさ銀が暮らすお部屋へと移動しました。
移動の最中も、うさ銀は先生にだっこされながら、
「しょうよう、げんきだったか?いま、どこにすんでるんだ?きょうはもう、おやつたべたか?まだだったら、いっしょにたべろ。きょうのおやつは、にんじんけーきなんだ。うまいけーきだぞ」
等、うれしくて、いろいろ話しかけます。
続きます。
沖田くんは、先生にはやきもちをやきません。
そういう意味のすき、ではないと、
ちゃんと分かっているし、
何より、うさ銀がうれしそうだからです。
でも、近藤さん土方さんには、実はいつも
こっそりやいています。
▼
新しいPCが来てくれたので、原稿などの
続きを始めています。
よかった…!
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あかこまどり
性別:
女性
自己紹介:
1827とジュリジャンとカヲシンと沖銀土銀が特に好きです。
ごくまれに同人活動をしている場合もあります。
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P R
※※※
むくろちゃん。
この髪型のテンプレを見た瞬間、たまらずに作ってしまいました・・・!(^//^;)
