先生、遊びに来る。/前編 *先生と沖田くんとうさ銀
ある日のお昼過ぎ、松陽先生が、
沖田くんやうさ銀たちが住んでいる屯所にご挨拶に来てくれました。
松陽先生は、うさ銀がミルクしか飲めない赤ちゃんだったころから、ひとりの力で草が食べられるようになるまで、いろんな事を教え、そしてかわいがってうさ銀のお世話をしてくれた大切な先生であり、この世界のあらゆるうさぎの中で一番年上の長老です。見た感じは、もうものすごく奇跡的に若いですが。
先生は何か大きな包みを持って、屯所の前までやって来て、屯所の入り口で警備をしてくれている隊士のひとへ、
「こんにちは。こちらに私の教え子の
うさぎの銀時がお世話になっているとお聞きしましたので、ご挨拶に参りました。
銀時と、銀時の保護者になって下さった沖田総悟さんは、ご在宅でしょうか?」と
声を掛けました。
警備の皆さんは、少々お待ち下さい、と先生へ告げると、慌てて沖田くんとうさ銀のお部屋に向かい、障子の外から沖田くんとうさ銀に向かい、
「隊長、銀時さん。銀時さんの先生とおっしゃる方がお出でです。こちらにお通ししましょうか?」と声を掛けてくれました。
お部屋の中に居た沖田くんとうさ銀は、その時ふたりで、手袋を折り込んで作る手袋うさぎを作っている最中でしたが、うさ銀は「先生」の単語を聞いたとたん、うさぎになりかけた手袋を持ったままの姿で、はっ、と顔を上げ、
「せんせい!」と
大きな声をあげ、沖田くんの顔を見ました。沖田くんはうさ銀の顔を見ながらうなずいて、呼んでくれた警備のひとに、
「わかった。ご苦労だったな。俺たちで迎えに出るから、持ち場に戻んな」と
言い、うさ銀の事をそっと抱き上げて、玄関の方へと歩き始めました。
うさ銀は、だっこされたまま耳をぱたぱたとさせながら、歩く沖田くんの胸の辺りから顔を見上げて話かけます。
「せんせいにあうの、ひさびさだ。おきたは、はじめてだな。おきた、せんせいにちゃんと、こんにちは、っていうんだぞ」
うれしそうに言いました。
沖田くんは、はい、とうなずいて、
「もちろんですぜ。うさ銀ちゃんの大事な先生ですもんね。俺も一度きちんとご挨拶したいと思っていたんです。うさ銀ちゃんにはいつもお世話になっています、って、お話ししますぜ」
そして続けて、
「…あと、そうだ。うさ銀ちゃん、うさ銀ちゃんが俺の事を先生に紹介してくれる時は、こんやくしゃです、って言ってくれますかィ?こんやくしゃっていうのは、これからもずっと仲良く、うさ銀ちゃんと一緒にごはんを食べる相手、という意味でさァ。うさ銀ちゃんと一緒に暮らしてる相手が、どういう相手か、そうやって説明した方が、先生も分かりやすくていいと思うんです」
…と言いました。
間違ってはいませんが、いろいろぼかしている説明です。ですがうさ銀は、「いっしょにごはんをたべるあいて」「せつめいしたほうが、せんせいにわかりやすい」という点でよく納得したのか、また、こく、とうなずくと、
「わかった。せんせいにそういう」と、
ご機嫌な顔のまま言いました。
続きます。
先生は何か大きな包みを持って、屯所の前までやって来て、屯所の入り口で警備をしてくれている隊士のひとへ、
「こんにちは。こちらに私の教え子の
うさぎの銀時がお世話になっているとお聞きしましたので、ご挨拶に参りました。
銀時と、銀時の保護者になって下さった沖田総悟さんは、ご在宅でしょうか?」と
声を掛けました。
警備の皆さんは、少々お待ち下さい、と先生へ告げると、慌てて沖田くんとうさ銀のお部屋に向かい、障子の外から沖田くんとうさ銀に向かい、
「隊長、銀時さん。銀時さんの先生とおっしゃる方がお出でです。こちらにお通ししましょうか?」と声を掛けてくれました。
お部屋の中に居た沖田くんとうさ銀は、その時ふたりで、手袋を折り込んで作る手袋うさぎを作っている最中でしたが、うさ銀は「先生」の単語を聞いたとたん、うさぎになりかけた手袋を持ったままの姿で、はっ、と顔を上げ、
「せんせい!」と
大きな声をあげ、沖田くんの顔を見ました。沖田くんはうさ銀の顔を見ながらうなずいて、呼んでくれた警備のひとに、
「わかった。ご苦労だったな。俺たちで迎えに出るから、持ち場に戻んな」と
言い、うさ銀の事をそっと抱き上げて、玄関の方へと歩き始めました。
うさ銀は、だっこされたまま耳をぱたぱたとさせながら、歩く沖田くんの胸の辺りから顔を見上げて話かけます。
「せんせいにあうの、ひさびさだ。おきたは、はじめてだな。おきた、せんせいにちゃんと、こんにちは、っていうんだぞ」
うれしそうに言いました。
沖田くんは、はい、とうなずいて、
「もちろんですぜ。うさ銀ちゃんの大事な先生ですもんね。俺も一度きちんとご挨拶したいと思っていたんです。うさ銀ちゃんにはいつもお世話になっています、って、お話ししますぜ」
そして続けて、
「…あと、そうだ。うさ銀ちゃん、うさ銀ちゃんが俺の事を先生に紹介してくれる時は、こんやくしゃです、って言ってくれますかィ?こんやくしゃっていうのは、これからもずっと仲良く、うさ銀ちゃんと一緒にごはんを食べる相手、という意味でさァ。うさ銀ちゃんと一緒に暮らしてる相手が、どういう相手か、そうやって説明した方が、先生も分かりやすくていいと思うんです」
…と言いました。
間違ってはいませんが、いろいろぼかしている説明です。ですがうさ銀は、「いっしょにごはんをたべるあいて」「せつめいしたほうが、せんせいにわかりやすい」という点でよく納得したのか、また、こく、とうなずくと、
「わかった。せんせいにそういう」と、
ご機嫌な顔のまま言いました。
続きます。
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ひみつひみつ *沖田くんとうさ銀
沖田くんは、いつもうさ銀の事を
大切にしてくれます。
うさ銀が、朝から晩までごろごろ
しながらお腹を出しただらしない姿で
テレビを観ながらニンジンやイチゴを
かじっていた日も、
そんなに気を許してくれてるんですね、
うれしいなァ、
かわいい、と。
うさ銀の事を、すきだと。
笑って言ってくれます。
うさ銀が、人間が歩く道に
出てきてしまったカタツムリを
そうっと掴まえて、こそっと安全な
藪に連れて行ってあげた姿を
見かけた日にも、沖田くんは、
優しいなァ、うさ銀ちゃんは
本当にいいこだなァ、と。
そして最後にはいつも、すきだと言って
笑ってくれます。
うさ銀が屯所の柱に、
巨大なニンジンの絵を
油性ペンでばばっと描きまくる。
障子にジャンプで飛び込んで
大穴を開ける。
畳をガリガリにかじりまくる。
雨上がりのお庭にジャンプで
飛び込み、土で、どろどろに
なりながら転がって遊ぶ。
…などの、なかなかとんでもない
いたずらをしまくっても、
沖田くんは、笑って、
うさ銀ちゃんが今日も元気で
よかったなァ。と、
にこにこしながらうさ銀の
頭をなでて、
うさ銀ちゃん、だいすきですぜ。と
言ってくれます。
ふつうにしていても、だらけていても、
いいことをしても、わるいことをしても、
沖田くんは、うさ銀を大切にしていて
くれますし、すきだと言って笑って
くれます。
うさ銀も、そろそろ、それが、
どんなに得難いものか
分かり始めてきました。
いつも、うさ銀に笑ってくれる
このひとの事を、うさ銀は。
大切にしてくれます。
うさ銀が、朝から晩までごろごろ
しながらお腹を出しただらしない姿で
テレビを観ながらニンジンやイチゴを
かじっていた日も、
そんなに気を許してくれてるんですね、
うれしいなァ、
かわいい、と。
うさ銀の事を、すきだと。
笑って言ってくれます。
うさ銀が、人間が歩く道に
出てきてしまったカタツムリを
そうっと掴まえて、こそっと安全な
藪に連れて行ってあげた姿を
見かけた日にも、沖田くんは、
優しいなァ、うさ銀ちゃんは
本当にいいこだなァ、と。
そして最後にはいつも、すきだと言って
笑ってくれます。
うさ銀が屯所の柱に、
巨大なニンジンの絵を
油性ペンでばばっと描きまくる。
障子にジャンプで飛び込んで
大穴を開ける。
畳をガリガリにかじりまくる。
雨上がりのお庭にジャンプで
飛び込み、土で、どろどろに
なりながら転がって遊ぶ。
…などの、なかなかとんでもない
いたずらをしまくっても、
沖田くんは、笑って、
うさ銀ちゃんが今日も元気で
よかったなァ。と、
にこにこしながらうさ銀の
頭をなでて、
うさ銀ちゃん、だいすきですぜ。と
言ってくれます。
ふつうにしていても、だらけていても、
いいことをしても、わるいことをしても、
沖田くんは、うさ銀を大切にしていて
くれますし、すきだと言って笑って
くれます。
うさ銀も、そろそろ、それが、
どんなに得難いものか
分かり始めてきました。
いつも、うさ銀に笑ってくれる
このひとの事を、うさ銀は。
サンタさんの正体は。 *クリスマスのうさ銀
明日はクリスマスです。今日はイヴで、今日の夜に、サンタさんがいいこの所へプレゼントを持ってきてくれるのです。
うさ銀は、この話をあかちゃんの頃、先生から教えてもらいました。
そのまま、その話を信じたままでいられたらよかったのかもしれませんが、うさ銀は、ある年のクリスマスイヴの夜、「サンタさんを捕まえて、たくさんプレゼントをくれるようにお願いする」という目的の為に目を覚ました状態で布団に潜り込みました。そうして、深夜になってもまだひっそり起きたまま、サンタさんが来てくれるのを薄目を開けて待ち構えていました所、色素の薄い長い髪に優しい色の瞳をした誰かさんが、サンタさんの服を着て、ヒゲまで装着した姿で、こっそりとうさ銀の枕元にプレゼント(にんじんクッキーの詰め合わせでした)を置いて行く姿を目にしてしまいました。
サンタさんの正体は、うさ銀の大好きな先生でした。
うさ銀はびっくりして、後日、うさ杉くんとうさ杉くんに事の詳細をたずねた所、ふたりは少し笑って、「ぎんときのサンタは、先生なんだよ。」と言って、うさ銀の頭をわしゃわしゃしました。
物語の中のサンタさんは本当にはいなかったとしても、各々にサンタさんはいるのです。
うさ銀は、この話をあかちゃんの頃、先生から教えてもらいました。
そのまま、その話を信じたままでいられたらよかったのかもしれませんが、うさ銀は、ある年のクリスマスイヴの夜、「サンタさんを捕まえて、たくさんプレゼントをくれるようにお願いする」という目的の為に目を覚ました状態で布団に潜り込みました。そうして、深夜になってもまだひっそり起きたまま、サンタさんが来てくれるのを薄目を開けて待ち構えていました所、色素の薄い長い髪に優しい色の瞳をした誰かさんが、サンタさんの服を着て、ヒゲまで装着した姿で、こっそりとうさ銀の枕元にプレゼント(にんじんクッキーの詰め合わせでした)を置いて行く姿を目にしてしまいました。
サンタさんの正体は、うさ銀の大好きな先生でした。
うさ銀はびっくりして、後日、うさ杉くんとうさ杉くんに事の詳細をたずねた所、ふたりは少し笑って、「ぎんときのサンタは、先生なんだよ。」と言って、うさ銀の頭をわしゃわしゃしました。
物語の中のサンタさんは本当にはいなかったとしても、各々にサンタさんはいるのです。
うさ銀はあの時まだあかちゃんで、うさ杉くんたちの言っている言葉はよく分からなかったのですが、今なら分かります。
沖田くんは、うさ銀の「サンタの正体」のお話を黙って聞いていました。そして、「そうですねィ。俺にも小さい頃、俺のサンタさんがいましたよ。」と頷き、「大丈夫。今年もサンタさんは、うさ銀ちゃんにプレゼントをくれますぜ。」と、優しい声で言いました。
うさ銀は、ちょっと寂しそうに、「おれは、せんせいのところから、すだったんだから、もうおおきいんだ。ぷれぜんとは、ちいさいこがもらえるんだろ…」と言いました。
そんな事ありません。
先日、沖田くん宛に届いたとある荷物がありましたが、それは先生がうさ銀にあげたい、今年のプレゼントでした。24日の夜に、うさ銀の枕元に置いてあげてほしい、とお手紙が添えられていました。
今年のイヴの夜。うさ銀が眠る頃に、沖田くんは、先生から届いたプレゼントをうさ銀の枕元に置きます。自分が選んだうさ銀へのプレゼントもいっしょに。
今年から、うさ銀のサンタさんは増えたのです。
冬の始まりのお出かけ*沖田くんとうさ銀
新しい綿を手でちぎったみたいな、やわらかそうな雲が高い場所に少し浮かんだ、すきっと晴れた冬の始まりの日の事です。
うさ銀と沖田くんは、首もとにしっかりマフラーを巻いて、暖かい服を着込みました。そして、
お昼過ぎに屯所を出発し、少し歩いて、林からほど近い場所にある公園に遊びに来ていました。道中、うさ銀は、沖田くんに肩車されて移動しました。これは、うさ銀が道を歩いて、疲れたりしないように、という配慮です。うさ銀はとてもかわいがられているのです。
お昼過ぎに屯所を出発し、少し歩いて、林からほど近い場所にある公園に遊びに来ていました。道中、うさ銀は、沖田くんに肩車されて移動しました。これは、うさ銀が道を歩いて、疲れたりしないように、という配慮です。うさ銀はとてもかわいがられているのです。
公園には、大きな廃材タイヤをたくさん並べて作った跳び箱、木目を活かした、つやっとしたブランコ、明るい水色で塗られた小さめの滑り台があります。うさ銀は、たくさんある遊具を使って、うれしそうに遊びました。この公園は、アクセスの良い町中の公園と違い、人影もまばらで、遊具の周りには今、誰もいません。遊具たちはしばらくの時間、うさ銀専用の遊具になってくれたのです。
うさ銀は、とんでもない跳躍力を持っているので、特に跳び箱は大得意です。跳び箱に走りより、続けざまに、ぴょんぴょん飛びまくります。とても軽やかで、うさぎらしい姿です。うさぎだけど、水を得た魚のようです。ばんばん飛び跳ねます。
跳び箱を思う存分跳んだあとは、滑り台で遊びます。うさ銀はだだだっと滑り台の階段をかけ登り、サーッと滑って降りてきます。到着地点では、うさ銀が滑った時の勢いで、前のめりになって転んだりしないように沖田くんが屈んで、手を伸ばして待っていてくれています。うさ銀は滑った勢いのまま、沖田くんの腕の中に飛び込んでしまいました。沖田くんはうれしがっていましたが、うさ銀的には、ちょっと不覚を取ってしまった気持ちです。
次はブランコです。うさ銀は、ブランコにサッと座り、沖田くんに背中を押してくれるようにお願いすると、沖田くんは、すぐに来てくれて、うさ銀の背中をそっと押してくれました。が、そっと、ですと、ブランコが高い場所まで揺れません。なんだ、つまらん。もっと力を入れて押すようにと、うさ銀が言うと、沖田くんは「危ないですぜ。高い所まで揺らすのは、うさ銀ちゃんが、もっと大きくなったらにしましょう。大きくなったうさ銀ちゃんも、かわいいんでしょうねィ」と言って笑い、うさ銀の頭を、そっとなでました。
いきなりなんのはなしだ…と、うさ銀は毒気を抜かれてしまいました。そして、仕方ないやれやれ、という風に頷き、高い所まで揺らしてもらうのは、まあ、保留にする事にしました。大きくなったらびゅんびゅん高い所まで揺らしてもらえばいいだけの話です。
うさ銀が一通り遊具で遊んだのを見計らって沖田くんは、うさ銀を抱き上げ、近くにあるベンチに座らせてくれました。
これから、おやつタイムです。
沖田くんは持ってきたカバンから、お手拭きを出すと、うさ銀と自分の両手をお手拭きで拭い、その後で、かわいいみかんの絵がたくさん付いた紙袋と、水筒に入ったにんじんいちごフルーツ入りの暖かい紅茶を取り出して、ふたに注ぎ、うさ銀に手渡してくれました。
紙袋にはクッキーがたくさん入っていて、袋を開ける前から、もはやいい匂いがします。うさ銀は袋の口の部分に鼻を近づけて匂いを吸い込みました。アロマです。甘い、香ばしいおいしそうな匂いで、からだの中がいっぱいになった気がしましたが、匂いでお腹は膨れないのです。うさ銀は急いで袋に手をつっこみ、うずまきみたいな形で薄くオレンジ色をしたクッキーを取り出すと、大きな口を開けて頬張りました。しゃくしゃく噛むと、ふわっと、みかんの匂いと味がします。うさ銀は、隣に座ってうさ銀の事を見ている沖田くんを見上げ、「みかんのくっきー、おれ、はじめてたべた。うまい」と言いました。
沖田くんは、やっぱり笑っていて、「よかった。全部食べていいですよ」と言ってくれました。
うさ銀は、ちょっとうつむいて、「うん」と言いました。
沖田くんは、缶入りのお茶を飲んでいました。彼の分はそれだけでした。
沖田くんが、自分の事なんて、考えず、うさ銀の好きそうなおやつを探して来てくれている事をうさ銀は、ちゃんと知っていました。だから、うさ銀が今食べているクッキーを勧めても、受け取ろうとしないだろう事も。うさ銀が、おいしい、と喜んで、全部自分ひとりで食べてしまった方が、沖田くんが、うれしい事も。
うさ銀は、耳をぱたぱたとさせながら、しゃくしゃくたくさんクッキーを食べました。お茶はふんわりと甘くて、空には、わたあめで出来た魚みたいな雲が遠く浮かんでいて、日の光に照らされて縁が金色に光っている遊具たちがあって、…隣には、うさ銀に優しいひとがいて、木にとまったヒヨドリがピーピーと鳴いていて、木の影はヒヨドリの動きと風の力で、ゆっくりさわさわ動いています。
うさ銀が隣に座る沖田くんを見上げると、沖田くんは空を見ていました。
ああ、あの魚みたいな雲を見ているのかな、とうさ銀は思いましたが、違っていました。
「あの雲、うさ銀ちゃんにちょっと似てますねィ」
沖田くんが少し笑って、振り返りながら言うので、うさ銀も空を見てみたら、さっきまで魚似ていた雲はもう形を変えていて、ちいさいうさぎみたいな姿になっていました。
空では魚がうさぎに変わる事もあるのです。白く、ふわふわしたうさぎでした。
うさ銀は、静かにうさぎを見上げます。手の届きそうにない場所に浮かぶうさぎなのに、なぜか、ほんの近くに見える気がして不思議でした。
たっぷり運動をした上、お腹がいっぱいになったうさ銀は、そのままベンチの上で眠り始めてしまいましたので、沖田くんはうさ銀を起こさないように静かに抱っこして、うさ銀の頭を自分の胸のあたりにもたせかけた姿で帰り道を歩き始めました。
うさ銀は、すやすやと眠っています。夢を見ているのか、眠ったまま、耳をパタパタとさせたり、何かむにゃむにゃと呟いています。
沖田くんは、やっぱりちょっと笑って、うさ銀の頭をずっと撫でてくれていました。
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プロフィール
HN:
あかこまどり
性別:
女性
自己紹介:
1827とジュリジャンとカヲシンと沖銀土銀が特に好きです。
ごくまれに同人活動をしている場合もあります。
ごくまれに同人活動をしている場合もあります。
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※※※
むくろちゃん。
この髪型のテンプレを見た瞬間、たまらずに作ってしまいました・・・!(^//^;)
