zakki:

あなたは私の事を少なくても、きらいではなかったと思うの。

友達も増えて、昔よりずっと楽しそうなあなたをいつしか好きになっていた。
かわいかったあなた。
いつも私に笑っていてくれたね。
そうだね。きっと私、出遅れてしまったの。

知っていた。


放課後あなたを呼び出して、好きと伝えた。
あなた驚いたように顔を上げたね。

わたし、知っていたの。本当はわかっていたのに伝えたかった。
上の階の窓からあの人があなたを見下ろしていた。
あの人があなたを好きだと知っていて、あの人から見える所であなたに告白した。
あなたを取られたくなかったの。
男のひとに負けたくなかった。
あの人を傷つけてやろうと思った。。
あなたはあの人があなたを見つめていた事に気づかなかった。
でも視えていたのね。
茶色の琥珀みたいな瞳に一瞬だけ濡れ羽色の影が映った。

「ごめんね、俺、好きな人がいるんだ」



ああ、あなたがそういうだろう事、私どこかで知っていたの。