先生、遊びに来る。/中編2 *先生と沖田くんとうさ銀
先生は、うさ銀に、ひとつひとつ大切に言葉を返してくれました。
「ええ、元気でしたよ。銀時も元気そうで、よかったです。ねえ銀時、この間、新聞に載ったでしょう?珍しいきのこを見つけたんですね。読みましたよ。すごいですね」
「今はね、色々な場所へ旅をしてる最中なんですよ。」
「今日はおやつはまだなんです。ケーキですか、おいしそうですね。私も手土産に銀時の好きな苺大福を持ってきましたよ。ほら、銀時が喜ぶと思ってたくさん作ってきたんです。大きな包みでしょう?」
話ながら、先生は改めてうさ銀の事をよく見ました。
最後に会った時よりも、一回りくらい、おおきく育ったようです。
ふさふさな頭や耳やしっぽは、毛玉になってしまっている部分もありません。毎日お風呂に入って、丁寧にお手入れされているのでしょう。ふわっと、ちいさい花のような石鹸の香りがします。
ふくふくしたほっぺや、やわらかい手足は、つやつやと健康そのもの、といった感じですし、さくら貝みたいな爪もきれいに短く切り揃えられて、やすりがかけられています。表情も、ぱ、と明るく、苺あめのような瞳はきらきらとうれしそうに光っています。
この家で、うさ銀が大切にされている事が聞かなくても、伝わる姿です。先生は嬉しくなって、前を歩きながら、こちらを気にしている沖田くんに頭を下げながら笑い掛けました。
それを見た沖田くんは、小さく会釈をします。普段の彼を知る人が見たら、驚いてしまうほど、神妙な対応です。
お部屋に通され、大きな机の前に置かれた厚い座布団を勧められて、ふかりとそこに座った先生は、お部屋をくるりと見回しました。
広い和室が二間続いているこのお部屋が、沖田くんとうさ銀が暮らすお部屋です。
お部屋の壁には、うさ銀が描いたとおぼしき、いちごとにんじんのクレヨン画が貼られており見るからに楽しそうな感じですし、端にあるちいさな白い文机には、きれいな色の折り紙で折られた花やうさぎや魚や鳥、雪の結晶などが飾られていて、にぎやかです。折り紙作品の横には、うさぎに似た白い花がたくさん咲いている鉢植えも見えます。
更にその文机の脇にある大きな箱からは、かわいいうさぎやイルカのぬいぐるみたちが、たくさん顔をのぞかせています。
うさ銀がここでどんな暮しをしているのか、一目で分かるお部屋です。先生は、またひどく嬉しくなりました。
向かいに座った沖田くんは、先生に、改めてきちんと挨拶をしました。
「うさ銀ちゃんの先生、はじめまして、うさ銀ちゃんと暮らしている沖田総悟といいます。お会い出来て嬉しいです。うさ銀ちゃんにはいつもお世話になっています。」
とても立派な挨拶です。沖田くんも、いざという時には、きちんとした態度が取れるのです。
うさ銀は、沖田くんの挨拶を、先生の隣に置いたにんじん型座布団に座りながら聞いて、機嫌よく、うんうんとうなずきます。
「お世話になって」の部分が、たいへんよかったようです。うさ銀は補足で説明をします。
「しょうよう、おきたは、おれの、こん…?こん…、こんにゃくなんだ。ごはんやおやつをいっしょにくうんだ。」
こんにゃく、とは。こんやくしゃ、という言葉とは、似て非なるものです。
「うさ銀は、「こんやくしゃ」という言葉を今日初めて教わったので、うっかり覚えられず、「こんにゃく」という言葉と間違えてしまったのでした。
しん…という沈黙があり、その後、先生と沖田くんは顔を見合せて、そしてから、二人同時にうさ銀の事を見つめました。
うさ銀は自分を見つめる二人をキョロキョロと見返し、
「しょうようも、おきたも、おやつたべないのか?おれ、けーきもだいふくもくえるぞ。にこくえる。」と、うれしげに
耳をぱたぱたとさせながら、話しかけます。
▼
うっかり長くなってしまい、
まだ終わりませんでした。
続きます。
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トラブルが起こっておりました…
こちらのブログにトラブルがあり、
一週間くらいの間、アクセス自体
できなかったのですが、ようやく
復旧して下さったようで、
本当によかったです…(ノ_・、)
忍者ツールズご管理の方、
お疲れさまです…!
ご心配くださいました方、
本当にありがとうございました…!
一週間くらいの間、アクセス自体
できなかったのですが、ようやく
復旧して下さったようで、
本当によかったです…(ノ_・、)
忍者ツールズご管理の方、
お疲れさまです…!
ご心配くださいました方、
本当にありがとうございました…!
冬服。
▲
あたらしく買ってもらった
もこもこしたくつ下が、とても気に入ったうさ銀。
春を先取りしたチューリップのアップリケが付いています。
うさ銀は、何かもらった時には、
どんなものを頂いた時も、すべて
ありがたくもらうのですが、
とても気に入ったものをもらった時は、
走り回ったり、耳をぱたぱたさせたり、
おしりを起点に回転したりなど、
よろこびの動きをします。
おしりを中心に回り過ぎると、
沖田くんたちが、
「しっぽが擦りきれるんじゃないか…?」と、
心配をしだしてしまいますが。
先生、遊びに来る。/中編 *先生と沖田くんとうさ銀
沖田くんとうさ銀が屯所の玄関にたどり着くと、そこには、近藤さん、土方さんとお話しをしている先生の姿がありました。
まぎれもなく、うさ銀の大好きな先生です。
先生が、ふ、と、うさ銀と沖田くんの方を向きました。そして、ひどくしあわせそうに笑って、うさ銀へ手を伸ばしてくれました。
「銀時。大きくなりましたね」
うさ銀は、
「しょうよう!」と叫びました。
ふだん、あまり泣いたりはしない強いうさ銀でしたが、今日は、ぽろぽろと涙が出てきます。泣かないようにがまんしていたはずなのに、だめでした。
沖田くんは、
「うさ銀ちゃん、よかったねィ」と笑って、
先生に向かって、泣きながら手を伸ばすうさ銀の両脇を持ち、先生へ向かって差し出しました。
うさ銀はぽたぽたと涙を落としながら、先生の肩に頭を押し付けます。
畳と木の香りの混じった、優しくなつかしい、先生の匂いがします。
先生と、うさ銀が抱きあっている姿を見て、近藤さんがとうとう、もらい泣きを始めてしまいました。
しばらくして、うさ銀(と、近藤さんが)がようやく泣き止んでくれたので、
「こちらにどうぞ。お茶をいれますねィ」と先導してくれる沖田くんに案内されて、先生は沖田くんとうさ銀が暮らすお部屋へと移動しました。
移動の最中も、うさ銀は先生にだっこされながら、
「しょうよう、げんきだったか?いま、どこにすんでるんだ?きょうはもう、おやつたべたか?まだだったら、いっしょにたべろ。きょうのおやつは、にんじんけーきなんだ。うまいけーきだぞ」
等、うれしくて、いろいろ話しかけます。
続きます。
沖田くんは、先生にはやきもちをやきません。
そういう意味のすき、ではないと、
ちゃんと分かっているし、
何より、うさ銀がうれしそうだからです。
でも、近藤さん土方さんには、実はいつも
こっそりやいています。
▼
新しいPCが来てくれたので、原稿などの
続きを始めています。
よかった…!
先生、遊びに来る。/前編 *先生と沖田くんとうさ銀
ある日のお昼過ぎ、松陽先生が、
沖田くんやうさ銀たちが住んでいる屯所にご挨拶に来てくれました。
松陽先生は、うさ銀がミルクしか飲めない赤ちゃんだったころから、ひとりの力で草が食べられるようになるまで、いろんな事を教え、そしてかわいがってうさ銀のお世話をしてくれた大切な先生であり、この世界のあらゆるうさぎの中で一番年上の長老です。見た感じは、もうものすごく奇跡的に若いですが。
先生は何か大きな包みを持って、屯所の前までやって来て、屯所の入り口で警備をしてくれている隊士のひとへ、
「こんにちは。こちらに私の教え子の
うさぎの銀時がお世話になっているとお聞きしましたので、ご挨拶に参りました。
銀時と、銀時の保護者になって下さった沖田総悟さんは、ご在宅でしょうか?」と
声を掛けました。
警備の皆さんは、少々お待ち下さい、と先生へ告げると、慌てて沖田くんとうさ銀のお部屋に向かい、障子の外から沖田くんとうさ銀に向かい、
「隊長、銀時さん。銀時さんの先生とおっしゃる方がお出でです。こちらにお通ししましょうか?」と声を掛けてくれました。
お部屋の中に居た沖田くんとうさ銀は、その時ふたりで、手袋を折り込んで作る手袋うさぎを作っている最中でしたが、うさ銀は「先生」の単語を聞いたとたん、うさぎになりかけた手袋を持ったままの姿で、はっ、と顔を上げ、
「せんせい!」と
大きな声をあげ、沖田くんの顔を見ました。沖田くんはうさ銀の顔を見ながらうなずいて、呼んでくれた警備のひとに、
「わかった。ご苦労だったな。俺たちで迎えに出るから、持ち場に戻んな」と
言い、うさ銀の事をそっと抱き上げて、玄関の方へと歩き始めました。
うさ銀は、だっこされたまま耳をぱたぱたとさせながら、歩く沖田くんの胸の辺りから顔を見上げて話かけます。
「せんせいにあうの、ひさびさだ。おきたは、はじめてだな。おきた、せんせいにちゃんと、こんにちは、っていうんだぞ」
うれしそうに言いました。
沖田くんは、はい、とうなずいて、
「もちろんですぜ。うさ銀ちゃんの大事な先生ですもんね。俺も一度きちんとご挨拶したいと思っていたんです。うさ銀ちゃんにはいつもお世話になっています、って、お話ししますぜ」
そして続けて、
「…あと、そうだ。うさ銀ちゃん、うさ銀ちゃんが俺の事を先生に紹介してくれる時は、こんやくしゃです、って言ってくれますかィ?こんやくしゃっていうのは、これからもずっと仲良く、うさ銀ちゃんと一緒にごはんを食べる相手、という意味でさァ。うさ銀ちゃんと一緒に暮らしてる相手が、どういう相手か、そうやって説明した方が、先生も分かりやすくていいと思うんです」
…と言いました。
間違ってはいませんが、いろいろぼかしている説明です。ですがうさ銀は、「いっしょにごはんをたべるあいて」「せつめいしたほうが、せんせいにわかりやすい」という点でよく納得したのか、また、こく、とうなずくと、
「わかった。せんせいにそういう」と、
ご機嫌な顔のまま言いました。
続きます。
先生は何か大きな包みを持って、屯所の前までやって来て、屯所の入り口で警備をしてくれている隊士のひとへ、
「こんにちは。こちらに私の教え子の
うさぎの銀時がお世話になっているとお聞きしましたので、ご挨拶に参りました。
銀時と、銀時の保護者になって下さった沖田総悟さんは、ご在宅でしょうか?」と
声を掛けました。
警備の皆さんは、少々お待ち下さい、と先生へ告げると、慌てて沖田くんとうさ銀のお部屋に向かい、障子の外から沖田くんとうさ銀に向かい、
「隊長、銀時さん。銀時さんの先生とおっしゃる方がお出でです。こちらにお通ししましょうか?」と声を掛けてくれました。
お部屋の中に居た沖田くんとうさ銀は、その時ふたりで、手袋を折り込んで作る手袋うさぎを作っている最中でしたが、うさ銀は「先生」の単語を聞いたとたん、うさぎになりかけた手袋を持ったままの姿で、はっ、と顔を上げ、
「せんせい!」と
大きな声をあげ、沖田くんの顔を見ました。沖田くんはうさ銀の顔を見ながらうなずいて、呼んでくれた警備のひとに、
「わかった。ご苦労だったな。俺たちで迎えに出るから、持ち場に戻んな」と
言い、うさ銀の事をそっと抱き上げて、玄関の方へと歩き始めました。
うさ銀は、だっこされたまま耳をぱたぱたとさせながら、歩く沖田くんの胸の辺りから顔を見上げて話かけます。
「せんせいにあうの、ひさびさだ。おきたは、はじめてだな。おきた、せんせいにちゃんと、こんにちは、っていうんだぞ」
うれしそうに言いました。
沖田くんは、はい、とうなずいて、
「もちろんですぜ。うさ銀ちゃんの大事な先生ですもんね。俺も一度きちんとご挨拶したいと思っていたんです。うさ銀ちゃんにはいつもお世話になっています、って、お話ししますぜ」
そして続けて、
「…あと、そうだ。うさ銀ちゃん、うさ銀ちゃんが俺の事を先生に紹介してくれる時は、こんやくしゃです、って言ってくれますかィ?こんやくしゃっていうのは、これからもずっと仲良く、うさ銀ちゃんと一緒にごはんを食べる相手、という意味でさァ。うさ銀ちゃんと一緒に暮らしてる相手が、どういう相手か、そうやって説明した方が、先生も分かりやすくていいと思うんです」
…と言いました。
間違ってはいませんが、いろいろぼかしている説明です。ですがうさ銀は、「いっしょにごはんをたべるあいて」「せつめいしたほうが、せんせいにわかりやすい」という点でよく納得したのか、また、こく、とうなずくと、
「わかった。せんせいにそういう」と、
ご機嫌な顔のまま言いました。
続きます。
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性別:
女性
自己紹介:
1827とジュリジャンとカヲシンと沖銀土銀が特に好きです。
ごくまれに同人活動をしている場合もあります。
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※※※
むくろちゃん。
この髪型のテンプレを見た瞬間、たまらずに作ってしまいました・・・!(^//^;)
